みなさん、こんにちは!松戸駅前みやた皮膚科クリニック院長の宮田です。今回は足のにおいについてお話ししたいと思います。足のにおいは、多くの人が経験する一般的な問題であり、気になることもあるかと思いますが、安心してください!適切なケアと対策を取ることで、この問題を解消することができるんです。
足のにおいの原因
足のにおいの主な原因は、足の汗と細菌の相互作用です。足は1日に約250mlから500mlもの汗をかくことがあります。特に靴を履いたまま長時間過ごすと、足の汗が蒸れてしまい、細菌が増殖しやすくなります。これによって、汗の成分が細菌によって分解され、特有の悪臭を発生させるのです。また、足の指間の湿度や皮膚の角質層の厚さもにおいの発生に影響を与えます。これらの要因が重なることで、足のにおいが強くなることがあります。これらのことから、足の匂いの対策は「細菌対策」に尽きます。
では、足のにおいを軽減するための対策をいくつかご紹介しましょう。
毎日足を洗浄する
毎日の入浴時に、足を石鹸でしっかり洗浄しましょう。特に足の指間や爪の周りなど、細菌が繁殖しやすい部分を丁寧に洗いましょう。
乾燥させる
足を洗った後は、しっかりと乾燥させることが大切です。特に足の指間の水分をきちんと拭き取りましょう。乾燥させることで細菌の繁殖を防ぐことができます。
通気性のある靴と靴下を選ぶ
靴と靴下は通気性のある素材を選ぶよう心がけましょう。通気性のある素材は足の汗を吸収しやすくし、蒸れを防ぎます。抗菌効果、消臭効果のある靴下やインソールを利用するのもよいですね。
靴や足の除菌、消臭
靴は内部に細菌が繁殖することがあります。定期的に靴の中を除菌するため、消毒スプレーや除菌シートを使用すると良いでしょう。私自身の経験では、毎日朝と昼と夕方に靴に消臭スプレーをかけると大きく匂いは減る印象です。もちろん、足自体を随時、殺菌シートで拭き取ったり、足用の消臭スプレーやデオドラント製剤を使うのもよいかと思います。抗菌外用剤を使用することでも、足の匂いが改善する可能性があると思われます。
靴のローテーション
同じ靴を毎日履くのではなく、いくつかの靴をローテーションで履きましょう。
角質対策
角質が分厚いと細菌感染の温床になる可能性があります。角質の治療は皮膚科にて外用剤が保険適応で処方可能です。
水虫
水虫は通常臭いはしないと思われます。ただ、水虫が発生しやすい湿った環境では、足の角質に細菌感染が発生し、足の匂いがする可能性が高いと思います。匂いの原因ではないにせよ、ご家族にうつしたりしないように水虫は皮膚科で治療しましょう。保険適応の外用剤などで治すことができます。詳しくはこちらをクリックしてください。
多汗症
掌蹠多汗症などのように汗が多く出る病気でも、角質が湿るため細菌感染がおこり匂いがする場合があります。保険適応の外用剤はございませんが、塩化アルミニウムなどの自費治療はあります。手汗の外用剤(アポハイドローション)のように早く保険適応の外用剤が開発されるよう期待したいですね。詳しくはこちらをクリックしてください。
その他の病気によるもの
細菌感染が発生しやすい病気では、その細菌による匂いが発生することがあります。その場合は、その病気の治療を行うことで匂いが改善すると思われます。例えば、陥入爪(≒巻き爪)、水虫、足の傷やただれ、これらに細菌感染を伴うと匂いが発生することがあります。これらは保険診療で治療可能です。なお、免疫が弱る病気、特に糖尿病では、足の皮膚の細菌感染がおこりやすい上に、足の神経が糖尿病によって感覚の低下を起こしたりしている場合もあり、細菌感染の発見が遅れる場合があります。このような場合は、最悪、足の切断につながる場合もあります。特にインスリン注射レベルの糖尿病の患者様は、毎日足を観察し、少しでも皮膚に違和感を感じましたら皮膚科に受診をお勧めします。
足の匂いの治療についてのまとめ
◎は皮膚科で相談可能。
・足が汗でむれることにより発生する細菌感染が原因。よって如何に細菌を減らせるかがポイント。
・足を洗い、乾かしておく。
・消臭抗菌スプレー、インソール、靴下などの抗菌消臭グッズを使用する。
・靴はローテーションで使用。
◎難治の場合は抗菌外用も検討。
◎角質のケア、治療
◎水虫や足の病気の治療
◎多汗症の治療
皆さんもこれらの対策を取り入れて、快適な足元を手に入れましょう!それでは、次回のブログでもお会いしましょう!
2023/8/8