こんにちは!今回はじんましんの治療法についてお話します。

蕁麻疹とは

じんましんとは、皮膚が赤く腫れてかゆくなる皮膚疾患の一つです。何らかの原因で、肥満細胞(マスト細胞)という細胞からヒスタミンという物質が放出されることで発生します。このヒスタミンが血管を拡張させ(皮膚が赤くなる)、血管の外に水分を漏れださせ(皮膚が膨れる)、そしてかゆみを引き起こします。一般的には、赤みや腫れ、かゆみを伴う地図状の発疹が現れ、数時間単位で出たり消えたりします。呼吸が苦しくなったり、声がかれたり、腹痛が起こったりすることもありますが、この症状が出た場合、緊急の治療が大切です。

薬物療法

じんましんの治療は薬物治療です。
これには、抗ヒスタミン作用を持つ抗アレルギー剤が用いられます。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンという物質が原因となるかゆみや発疹を抑える効果があります。一般的に市販されているものもありますが、症状が重い場合は、医師の処方箋を受けて専用の薬剤を使用する必要があります。
抗ヒスタミン剤で効果が少ない場合は、胃薬の一種(H2ブロッカー)、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗プラスミン剤、漢方薬などが用いられる場合もあります。

ゾレア注射

このように様々な内服治療を行っても改善が見込めない場合は、ゾレアという生物学的製剤の注射を行うと大きな効果が期待できます。ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体が効果を発揮します。この抗体が 血清中の遊離IgEにはたらきかけ、IgE抗体と肥満細胞との結合を邪魔することにより、肥満細胞からアレルギーの原因となるヒスタミンなどの化学物質の放出を抑制します。月1回、クリニックにて注射を行います。費用は比較的高額で、1回17,500円程度(3割負担)になります。

アレルギー検査

蕁麻疹の原因がある場合は、それを避けることが大切です。食物アレルギー、薬剤アレルギー、食物や薬剤などアレルギー以外の作用、感染症などは原因物質除去や治療が必要です。また蕁麻疹に合併することがある体の病気(甲状腺疾患、膠原病、肝機能異常など)もありますので、心配な場合は皮膚科で検査をしましょう。

<参考>
食物アレルギーの代表例 エビ、カニ、ソバ、果物など。乳児は卵白、小麦、ピーナツ、牛乳、大豆など。
アレルギーではないが蕁麻疹が起こりやすい食品の代表例 青魚、肉類、タケノコ、ほうれん草などの肉類、野菜類など。

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蕁麻疹(じんましん)

2023/05/02