1.ルビーフラクショナルレーザーとは
イタリア・Quanta(クオンタ)社のルビーフラクショナルレーザーは、シミ・アザ治療に広く用いられているルビーレーザー(波長694nm)を、ドット状(フラクショナル状)に細かく点状に照射する治療法です。
従来のレーザーが「面」で照射してシミ全体に強い衝撃を与えていたのに対し、このレーザーはあえて「照射しないすき間」を残しながら、レーザーを照射します。
このフラクショナルという照射法で、肌にダメージが及ばない「健康なエリア」を意図的に残すことで、シミに対する高い効果を出しながらも、炎症後紅斑(PIE)や炎症後色素沈着(PIH)などの副作用を抑えることができます。
1回の治療でも、お顔全体のシミの改善を実感される方が多いのが特徴です。さらに従来のスポット照射と比較してダウンタイムを抑えた治療が可能です。
2. 通常のルビーレーザーとの違い
大きな違いは「ダウンタイムの軽さ」と「治療スタイル」にあります。
◎大きなシミ数個なら、通常のルビーレーザー
◎顔全体の細かいシミ+毛穴ハリなら、ルビーフラクショナル
もちろん、両方組み合わせることも非常によくあります。
| 比較項目 | 通常のルビーレーザー(スポット) ルビーフラクショナル | |||||||||||
| 照射方法 | シミを狙って「面」で照射 「点(ドット状)」に分散して照射 | |||||||||||
| 保護テープ | 10日前後の保護テープが必須 不要 (直後からメイク可) | |||||||||||
| かさぶた | 分厚いしっかりしたかさぶたになる 目立たない微細な点状のかさぶた | |||||||||||
| 痛み | パチンと強い痛み(輪ゴムなど) 中程度(麻酔あり) | |||||||||||
| 得意な対象 | 濃くはっきりした大きなシミ 顔全体の細かいシミ・そばかす・ADM |
3. IPL(光治療)との違い
ビーフラクショナルレーザーとIPL(光治療)は、どちらもシミ治療に用いられますが、作用の仕組みや効果の出方が大きく異なります。
◎ダウタイムが多少あっても、1~2回でシミを取りたい場合はルビーフラクショナル
◎ダウンタイムが困る場合や赤ら顔(酒さ)を治したい場合はIPL
| 比較項目 | ルビーフラクショナルレーザー | IPL(光治療) | |||||||||||
| 方法 | 単一波長(694nm)のレーザーを ド ット状に照射し、メラニンを ピンポイントで破壊 | 幅広い波長の光を肌全体に 照射しマイルに反応させる | |||||||||||
| シミに対する効果 | メラニンへの反応が非常に強く 細かいシミ・ADM・深いシミにも 高い効果 | 表在性のシミには有効だが、深いシミには効果が弱い | |||||||||||
| 効果の実感 | 1回でもしっかり効果を実感しやすい | 回数を重ねて徐々に改善 | |||||||||||
| 得意なシミ | そばかす・細かいシミ・ADM | 薄いシミ・くすみ・赤ら顔 | |||||||||||
| ダウンタイム | 少なめ (赤み2~3日+微細なかさぶた1~2週間) | ほぼなし |
4. 効果と対象
対象
・大きなシミ: もちろん効果がありますが、一度で消し去るよりは数回かけて「徐々に薄く」していくイメージです。こちらは通常のルビーレーザーやピコレーザーの方が得意です。
・細かいシミ・そばかす: 本治療において、特に適応が高い分野です。顔全体に散らばったシミを効率よく薄くしていく効果が期待できます」
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス): 他のレーザーでは難しい「深い層のシミ」にも、ルビーの波長ならしっかり届きます。
・毛穴、キメ、ハリ: 顔全体に熱を均一に加えることにより、毛穴やハリなどのリジュビネーション効果がかなり期待できます。
期待できる効果
・シミ・そばかす・アザの改善
・肌全体のくすみの解消(ホワイトニング効果)
・肌の毛穴、キメハリなどのリジュビネーション効果
5. ダウンタイムとPIH(色素沈着)のリスク
患者様が最も気にされるポイントを分かりやすく説明します。
ダウンタイム
・赤み: 2~3日で引くことがほとんどです。
・かさぶた: 1~2週間ほど「ごま塩のような」非常に細かい点状のかさぶたができることがありますが、メイクで十分に隠せる程度です。※特殊なコンシーラーを購入いただいております。
・日常生活: 当日からシャワーOK、額はダウンタイムがほとんどないため、特殊なコンシーラーと大きなマスクの活用でダウンタイムを隠すことは十分可能です。
PIH(炎症後色素沈着)
従来のスポット照射では30%〜50%の確率でPIH(一過性の色素沈着)が起こるとされています。しかし、 ルビーフラクショナルは熱を分散させるため、皮膚のメラノサイトへの負担が最小限になり、PIHのリスクをかなり低く抑えられます。 通常のルビーレーザーが向いていない方でも治療が可能な可能性があります。
なお、通常のルビーレーザーと異なり、PIHが照射2~3カ月後に発生する場合があります(通常のPIHは1か月後)。この場合ももちろん回復しますが、完全回復まで数か月かかることもあります。 ※その他の副作用としてまれに火傷、瘢痕(跡が残る)、色素脱失(白抜け)などありえます
6. 費用
全顔ルビーフラクショナル+エレクトロポレーション38,500円(税込み)。
※エレクトロポレーション代、麻酔クリーム代、診察代込みの総額です。
(薬剤費、外用代は別)
7. 受診の流れ
初回は診察を受けていただき、ルビーフラクショナルの適応があれば、予約をとって行います。なお、すでに診察を受けられてルビーフラクショナルの説明を受けられている患者様はお電話にて予約ができます。
8.よくある質問(Q&A)
Q1.ルビーフラクショナルレーザーはどんなシミに効果がありますか?
A.細かいシミやそばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)に特に高い効果があります。顔全体に散らばったシミをまとめて改善したい方に適しています。
Q2.1回でシミは取れますか?
A.1回でも効果を実感される方が多いですが、シミの種類や濃さによっては複数回の治療が必要になる場合があります。特に大きなシミは徐々に薄くしていく治療となります。
Q3.ダウンタイムはどのくらいありますか?
A.赤みは2〜3日程度で落ち着くことが多く、その後1〜2週間ほど細かいかさぶたが出る場合があります。メイクでカバーできる程度の軽いダウンタイムです。
Q4.IPL(光治療)との違いは何ですか?
A. ルビーフラクショナルレーザーはメラニンに対して強く作用するため、IPL(光治療)と比較して、メラニンへの反応が強い特性があります。よって照射は1~2回で完了する場合が多いです。
一方、IPLはマイルドな治療で、回数を重ねて徐々に改善していく方法ですが、こちらは赤ら顔(酒さ)にも効果が期待できるメリットもあります。
Q5.炎症後色素沈着(PIH)は起こりますか?
A.従来のレーザーに比べてリスクは低く抑えられていますが、体質や肌状態によっては一時的に色素沈着が起こる場合があります。多くは数か月で自然に改善します。
当院で使用するルビーフラクショナルレーザー治療には、イタリアQuanta System社製の「Q-Plus R」を使用します。 本機器を用いた治療を適正に提供するため、以下の事項を公開いたします。
未承認医薬品等であることの明示
本治療に用いる「ルビーフラクショナル照射」は、医薬品医療機器等法(薬機法)において、国内での承認(あざ等の治療を目的としたスポット照射)とは異なる「目的外使用」となります。
入手経路等
本機器は、当院医師の責任において、国内販売代理店(株式会社ビッグブルー)より正規に購入したものです。
国内の承認医薬品等の有無
国内において、ルビーレーザーを用いたフラクショナル照射(点状照射)によるシミ・肌質改善を目的として承認されている医療機器はありません。
諸外国における安全性等に係る情報
本機器は欧州のCEマーク(医療機器指令)を取得しており、諸外国においてその安全性が確認されています。
主なリスクとして、一時的な赤み、腫れ、微細なかさぶた、炎症後色素沈着(PIH)、火傷、瘢痕(跡が残る)、色素脱失(白抜け)などが報告されています。