水いぼ(伝染性軟属腫)とは?

水いぼ(伝染性軟属腫)は、お子さまによくみられるウイルス性の皮膚感染症です。
皮膚に
・小さなツヤのあるブツブツ
・白っぽい〜肌色の丸いできもの
・真ん中が少しくぼんだ発疹
ができます。
特に幼児~小学校低学年のお子様によくみられます。

放置しても治る?

はい。自然に治ることはあります。
ただし数か月〜数年かかることがあります。
その間に
・数がどんどん増える
・兄弟にうつる
・プールや接触で広がる
・かゆくて掻く
・とびひになる
ことがあります。

水いぼ(伝染性軟属腫)の原因とうつり方

水いぼ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum contagiosum virus:ポックスウイルスの一種) による皮膚の感染症です。
細菌ではなくウイルス感染なので、抗菌薬(抗生物質)は効きません。
特にかかりやすいのは
・幼児〜小学校低学年
アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が弱いお子さま
・皮膚をよくかくクセがあるお子さま
です。
理由は、皮膚に小さな傷や乾燥があると、そこからウイルスが入り込みやすくなるためです。


① 直接接触(もっとも多い)
水いぼを触った手で別の場所を触ることで、自分の体にどんどん広がる(自家接種)ことがあります。
また、
・兄弟同士の肌の接触
・保育園・幼稚園での密な接触
などでもうつります。


② タオル・スポンジ・浮き輪などを介して
ウイルスがついたものを共有すると感染することがあります。

・タオル
・バスタオル
・スポンジ
・ボディタオル
・浮き輪
・ビート板
※ただし、実際には“物を介した感染”より皮膚同士の接触のほうが重要と考えられています。


③ プールでうつる?
プールの水そのものでうつる可能性は高くありません。
ただし、
・更衣室での接触
・タオルの共用
・ビート板の共用
・皮膚同士の接触
でうつることがあります。
そのため現在は、
水いぼがあるだけでプールを全面禁止としないことが多いです(施設のルールには従ってください)。


水いぼの中には大量のウイルスが入っています。
つぶれたり、かきこわしたりすると、その内容物が皮膚につき、新しい場所に感染します。
そのため
「最初は2〜3個だったのに、気づいたら数十個」
ということがよくあります。


アトピー性皮膚炎があると
・皮膚バリアが弱い
・かゆくてかく
・傷ができる
ため、水いぼが非常に増えやすいです。
保湿や湿疹の治療をしっかり行うことも、水いぼ対策として大切です。

水いぼの診断

多くの場合、診察で診断できます。
特徴的な光沢のある小さな丸い発疹を確認します。
小さいものはルーペで確認することもあります。
通常は特別な検査は不要です。

水いぼの治療

小児の皮膚の特徴は、皮膚が薄く乾燥しやすいところにあります。
皮膚のみずみずしさは、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質という3つの物質によって保たれています。アトピー性皮膚炎ではこれらの物質が減ってしまうことにより皮膚が乾燥し、これによりアトピー性皮膚炎が悪化するといわれています。この乾燥は、適切なスキンケアと保湿剤の外用である程度よい状態に保つことが可能です。

経過観察(自然治癒を待つ)

水いぼは自然に治ることが多くあります。そのため数が多くて除去することが難しい場合などは自然治癒を待ちます。

ピンセット除去

もっとも一般的な治療です。専用器具で水いぼを除去します。
・チクッとした痛み
・にじむような小出血
・傷跡が残る
などのリスクがあります。


痛みを減らす工夫
当院では、お子さまの負担を減らすため、ペンレステープ(麻酔テープ)を使った処置にも対応しています。

当院の水いぼのペンレス治療に関して

・事前にお電話などで予約が必要になりました。
・水いぼの診察にてペンレス治療の説明を受けられた方が対象です。
・平日9時30分、15時の1日2枠のみに限らせていただきます。
・火曜日と土曜日の予約は不可です。
・無断キャンセルを2回以上された場合は、その後の予約は不可とさせていただきます。
なるべく病院嫌いにならないよう配慮しています。

ワイキャンス(外用治療)

水いぼに対する新しい外用治療の選択肢です。
※当院ではワイキャンスの治療を行っておりません。

ワイキャンスが向いているケース
・数が多い
・ピンセット除去が難しい
・痛みに弱い
・小さいお子さま
・繰り返す
・除去を嫌がる

注意点
・外用中に
・赤み
・しみる
・ただれ
・かさぶた
などが出ることがあります。

その他の治療

状況によって
・液体窒素
・ヨード外用
・サリチル酸
・銀イオン外用
などがあります。

<当院の自費外用クリーム>
銀イオン配合抗菌クリーム(3A M-BF CREAM)10g2,200円を販売しております。
詳しくは、診察時にお尋ねください。

当院のこだわり

当院では
なるべく痛みを減らし、お子さまが病院嫌いにならないことを大切にしています。
また、水いぼの背景にある
・アトピー
・湿疹
・かゆみ
も同時に治療します

    日常生活で気をつけること

    1. 掻かない
      掻くと増えます。
    2. 手洗い
      接触感染予防になります
    3. 湿疹治療
      アトピーがあると悪化しやすいです。
    4. タオル共有
      避けましょう。

    よくある質問(Q&A)

    Q. 水いぼはうつりますか?
    A.はい、水いぼ(伝染性軟属腫)はうつることがあります。
    原因はウイルスで、皮膚と皮膚の直接接触や、患部を触った手を介して広がることがあります。
    例えば
    ・兄弟姉妹での接触
    ・お友達との肌の接触
    ・掻いた手で別の場所を触る
    などで増えることがあります。
    ただし、必要以上に神経質になる必要はありません。
    日常生活の中で適切な対策をすれば、多くの場合は問題なく過ごせます。


    Q. プールでうつりますか?
    A.保護者の方から非常によくいただく質問です。
    結論からいうと、
    プールの水そのものからうつる可能性は高くない
    と考えられています。
    一方で、
    ・肌と肌の接触
    ・ビート板やタオルの共用
    ・掻いたあとに触る
    などで広がる可能性はあります。
    現在は「水いぼがあるから必ずプール禁止」とはされないことが多いですが、施設ごとのルールを確認してください。
    ラッシュガードなどで患部を覆う対応をお願いされることもあります。


    Q. 保育園・幼稚園・学校は行けますか?
    A.基本的には通園・通学可能なことがほとんどです。
    水いぼだけを理由に登園・登校禁止になることは一般的ではありません。
    ただし施設ごとの方針をお尋ねください。
    園や学校から「受診してください」と言われた場合はご相談ください。


    Q. 水いぼは自然に治りますか?
    A.はい、自然に治ることがあります。これは本当です。
    ただし問題は、治るまでに時間がかかることがある点です。
    数か月で治ることもあれば、1年以上続くこともあります。
    ・その間に
    ・数が増える
    ・掻いて広がる
    ・兄弟にうつる
    ・とびひになる
    ことがあります。


    Q. では、取らなくてもいいのですか?
    A.ケースによります。必ず取らなければいけない病気ではありません。
    ただし
    ・数がどんどん増える
    ・アトピーがある
    ・かゆい
    ・本人が触ってしまう
    ・兄弟にうつりそう
    ・プールや集団生活が気になる
    場合には治療を積極的に検討することがあります。


    Q. 水いぼはどんどん増えますか?
    A.増えることがあります。水いぼは、掻いたり触ったりすることでウイルスが皮膚の別の場所に広がります。
    最初は数個だったのに、「気づいたら何十個」ということもあります。


    Q. アトピーの子は増えやすいですか?
    A.はい、かなり増えやすいです。
    理由は
    ・皮膚バリアが弱い
    ・かゆみがある
    ・掻いてしまう
    ためです。
    水いぼだけでなく、背景にあるアトピーや湿疹の治療も重要です。


    Q. 水いぼはかゆいですか?
    A.かゆみを伴うことがあります。
    特にアトピー体質のお子さまではかゆみが出やすいです。
    掻くことで
    増える → 悪化する → とびひになる
    ことがあります。


    Q. 水いぼが赤くなりました。悪化ですか?
    A.必ずしも悪化とは限りません。
    水いぼが治る前に
    赤くなる
    炎症っぽくなる
    かさぶたっぽくなる
    ことがあります。
    これは治る前の反応のこともあります。
    ただし、とびひなど別の感染のこともあるので、判断に迷う場合はご相談ください。


    Q. 水いぼ除去は痛いですか?
    A.除去には痛みがあります。専用器具で摘み取るため、チクッとした痛みを感じることがあります。小さいお子さまでは怖がることもあります。


    Q. 痛みを減らす方法はありますか?
    A.当院では
    ペンレステープ(麻酔テープ)を使った処置に対応しています。
    痛みを軽くすることで、お子さまの負担を減らす工夫をしています。


    Q. 兄弟にうつりますか?
    A.うつることがあります。タオル共有や密な接触で広がることがあります。


    Q. 大人にもうつりますか?
    A.はい、まれにうつることはあります。ただし子どもほど多くありません。


    Q. お風呂は入れますか?
    A.入れます。
    ただし
    ・強くこすらない
    ・タオル共有しない
    ようにしましょう。


    Q. 取ったらもうできませんか?
    A.またできることがあります。特に数が多い場合や湿疹がある場合は、数日で再発することは非常によくあります。また、肉眼ではみつけにくい新しいものがすでにできていることもあります。このため、数が多い場合は、除去を断念する場合もあります。


    Q. どれくらいで治りますか?
    A.自然治癒なら数か月〜数年。
    摘除なら個々はすぐなくなりますが、新しいものが出ることが良くあります。


    Q. 受診した方がいいのはどんな時?
    A.
    ・急に増える
    ・かゆい
    ・赤くなる
    ・とびひっぽい
    ・アトピーがある
    ・兄弟に広がる
    ・治療方針に迷う
    場合です。


    監修 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士 宮田義久